Meet Locals 〜地域と世界をつなぐ〜

パブリック(公務員)、ソーシャル(NPO)、ビジネス(特に地域)の3つのセクターのこと・キャリアをそれぞれ経験した立場から発信します。

移住したくなってしまう。次世代のリーダー日南市市長、崎田恭平さんとお会いしてきました。

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いきなりですが、崎田恭平市長をご存知でしょうか。

 

そう、「地域活性のモデル都市」として注目を浴びる宮崎県・日南市の市長さんです!

2013年に「全国で2番目に若い市長」として就任され、話題にもなりました。

 

以後、「創客創人」のコンセプトを掲げ、シャッター街と化していた油津商店街を見事に甦らすなど実績をあげられ、無事2期目を迎えらています。

 

今回はその崎田市長にお会いして参りました!

当初予定していた30分の面会時間を大幅に延ばしてくださり、昼食から商店街の案内までご一緒に。

こうした行動の速さ、フットワークの軽さが、日南市の活性に通じているんだなと感じた一幕でした。

 

今回、お話をし、成功の秘訣を伺った中で、地方で感じていた違和感への答えたいくつか見つかったように思います。

一つは、「補助金ありき」の地方の中で補助金に頼らなかったことです。

何かあると、すぐに「補助金」の話になり、補助金があるのが当たり前になっています。

このような「補助金」が存在していることで、以下のような問題が起こっているように思っています。

始めるのは簡単で続けるのが難しいゲストハウス、カフェ、コワーキングスペースetcといった、施設ができてしまい、最終的には負債を生み出す

補助金がなければ、仕事になりそうなところを、補助金を出したり、行政がやってしまうことで、民間の仕事を奪ってしまう

 

もう一つは公務員の役割です。

上記にも関連しますが、行政の役割を補助金を出す、ということではなく、地域との調整等においているという点があると思います。

行政の方からは、よく補助金を出した分ぐらいは、、、、といった話を聞きますが、上記のとおり、補助金は不要だと思っています。

補助金を出す、という仕事がなくなると行政の仕事がなくなってしまい、役所不要論が出てくるのですが、そういった中での役所の役割は地域との調整だと思っています。

 

日南市では『バディー制度』という、特定のプロジェクトに対して、民間の方と市の職員が二人一組で臨む制度を作っておられました。

これによって、ノウハウの共有やそれぞれの強みを生かした働き方ができ、地元との交渉に強い公務員、スピード感のある民間側、といったように円滑にプロジェクトが進行します。

 

しかしなんといっても、

方針をはっきり示している

ということだと思います。

 

多くの市町村では、一つのことに対してはっきりとしたスタンスが取られていないように思います。

 

例えば「移住」。

移住担当の方が、そもそも移住を促進したいのか、というとそうでもないと言われたりします。

 

どんな人に来てもらいたいのか、どんなことが準備されているのか、何もありません。

そして最後は、「来たければ来たらいいよ」というスタンスです。

自分で、本気でマチに必要な人は誰なのか考え、そして、その人を本気で来てもらい、責任を持って活躍してもらう、ということがありません。

 

油津商店街の再生も2人のキーパーソンからであった、と聞いています。

それのある日南市は、とても魅力的なマチであると思いました。

 

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                 ★★★

  

柚木:「日南市は企業誘致に積極的と伺っています。」

崎田市長:「街並みや観光については、行政が関与できる範囲がどうしても限られます。だからこそ、民間にも頑張っていただかないと。民間の資金が回るよう、企業誘致に力を入れています。」

 

柚木:「どういった企業を主に誘致されているのでしょうか。」

崎田市長:「まずはIT企業です。実は、事務職の仕事を求めて日南を出る人が特に多い。その中で、『現代の事務職』とも言えるIT企業を誘致することが大切と考えます。また、『まちづくり』にもこだわっています。ECサイトや大型店舗との競争は激しいのが現実。しかし、保育園やゲストハウス、カフェといった様々な機能を街に集中させることはできます。」

 

柚木:「成果のほどは。」

崎田市長:「シャッター街に近かった油津商店街。4年間で20店舗増やそうという目標を掲げました。最終的に達成したのは29店舗。今後も増加していきます。市長に就任した当時を知る方は『ここまで変わったか』と仰っています」。

 

柚木:「若い方も増えたのでは?」

崎田市長:「現在、商店街には80人ほどの若い方が住んでいます。半分が地元の方、もう半分がIターン/Uターンの方。4年後には300人に増えることが目標。また、10代と20代の人口流出にも歯止めがかかり始めています。」

 

柚木:「日南の成功の秘訣、なんだとお考えでしょうか。」

崎田市長:「一つは、補助金による店舗誘致でなく、起業家支援に重きを置いたことです。」

 

柚木:「なるほど。企業は好んで日南市にやって来るが、行政の補助に依存するビジネスは生まない、ということですね!」

崎田市長:「昨年12月15日、地方創生の例として安倍総理のスピーチで日南がとり荒れられました。『油津商店街に行けば、やりたいことが実現する。そういうわくわくするような空気感が、商店街再生の大きな原動力』と。助成金わなかったからこそ、成功しました。」

 

柚木:「上手くいっている理由、他にはございますか。」

崎田市長:「日南市では『バディー制度』というものを取り入れています。民間の方と市の職員が二人一組でプロジェクトに臨む制度。ノウハウの共有やそれぞれの強みを生かした働き方ができることで、円滑な進行を図ります。地元との交渉に強い公務員、スピード感のある民間側、といった具合で。また、結果として公務員側もスピード力に長けるようになり、スキルが圧倒的に上がったように感じます。」

 

                 ★★★